西宮競輪の跡

昨日オープンしたばかりの阪急西宮ガーデンズに行って来た。目的はかつてここにあった西宮競輪がどう扱われているかを確認するためだ。阪急ブレーブスの本拠地として長年使っていた西宮球場としての記念碑なんかは確実にあるだろうから、そこに競輪についての記述がどの程度あるのかを知りたかったのである。

西宮は私が初めて行った競輪場であり、甲子園とともに最も多く通った思い出のある場所なので、ちょっとこだわりがあった。

北口駅の浜側の改札を出ると長い歩道橋のようなのもがあって西宮ガーデンズの敷地まで直接行ける。ここに来るのは西宮最後の日以来で、あたりの様子はすっかり変わっている。案内図によると5階に西宮スタジアムなどの記念展示があるらしいので早速行ってみる。

そこにはいろんな展示があったのだが、競輪に関するものは一切なかった。大型のパネル10枚くらいに写真と文章で阪急の歴史が説明してあって、そこには西宮球場ブレーブス、学生アメフトのことは書いてあるが、競輪の文字はない。ブレーブスゆかりの野球殿堂入りした人のレリーフやリーグ優勝旗、カップ、アメフトの西宮ボウルに関する展示もあったが、競輪の展示物はない。

阪急は競輪を無かったものと思いたいらしい。廃止に当たっての施行者側との確執はあるだろうが、自分達が競輪という楽しみをファンに提供した事実を歴史として残して欲しかった。

最後に、私がここで唯一競輪を感じることができた展示物を紹介する。それは西宮スタジアムの大きな模型である。細部まで良くできていて一見の価値ありだ。よく座っていた一塁側の上層スタンド、そこから見える三塁側の照明塔の「大和證券」の看板も再現されていてなつかしい。この模型も野球仕様で競輪やってたことは直接は分からないのだが、スコアボードの向かって左にある建物(選手管理棟だったか)の上にある小さな直方体のものに気づいた。これは着順表示の電光掲示板だ。これを省略しなかった模型の設計者に感謝したい。