落車、失格の発生頻度の時間的推移

元にした資料

経済産業省サイト車両競技分科会の議事録を公開しているページにある第4回競輪小委員会(H13.7.10)での配布資料(pdf)の15、16ページに、昭和63年度(1988年)から平成12年度(2000年)までの落車と失格の発生件数が書かれている。

また、KEIRIN.JPで公開されている競輪見太郎用データを集計することで、2002年から現在までの落車、失格の発生状況が詳しく把握できる。

年度ごとの落車、失格

これらの資料からデータをまとめて以下の表を得た。

年度 レース数 落車人数 落車レース数 失格レース数 落車率(%) 失格率(%)
1988 39549 5903 3112 2085 7.87 5.27
1989 39931 6233 3223 1615 8.07 4.04
1990 39720 5599 2944 1593 7.41 4.01
1991 40039 4777 2535 1723 6.33 4.30
1992 39915 4534 2397 1805 6.01 4.52
1993 40249 4407 2317 1815 5.76 4.51
1994 39722 4267 2322 1945 5.85 4.90
1995 39837 2871 1533 1469 3.85 3.69
1996 39791 3198 1722 1563 4.33 3.93
1997 39633 3371 1763 1502 4.45 3.79
1998 39549 3527 1857 1568 4.70 3.96
1999 38554 3778 1975 1601 5.12 4.15
2000 38158 4096 2142 1631 5.61 4.27
2001 - - - - - -
2002 35663 4272 2301 1670 6.45 4.68
2003 35599 4428 2371 1722 6.66 4.84
2004 35567 4024 2196 1791 6.17 5.04
2005 34772 3985 2176 1562 6.26 4.49
2006 32153 4115 2199 1473 6.84 4.58
2007 32729 3920 2129 1403 6.50 4.29
2008(前期) 16445 2029 1093 685 6.65 4.17

2001年は見太郎データがないので書いていない。ウェブ上にデータはあるのでやろうと思えばやれるのだが。

表の各項目を説明する。

年度
議事録資料にある期間(1988-2000)は4月をはじまりとする会計年度が使われていると思われる。見太郎データの期間(2002-2008)は1月をはじまりとする普通の1年間で集計している。なお、2002年はそれまでの前中後3期制から前後2期制に移るはざまで、正式には2002年4月から12月までの9ヶ月間であると思われるが、ここでは1月からの12ヶ月として集計している。また、2008年は前期(1-6月)で集計している。
レース数
その年度に行われた全レース数
落車人数
落車した選手ののべ人数、一般に1個レースで複数人出る可能性がある
落車レース数
落車が発生したレース数
失格レース数
失格があったレース数
落車率
(落車レース数)/(レース数)で定義、レース単位での落車の発生率
失格率
(失格レース数)/(レース数)で定義、レース単位での失格の発生率

見太郎用データの集計についての注意

データそのものはKEIRIN.JPで公式に提供されているものだが、そのデータフォーマットは公開されていない。したがってフォーマットを勝手に推測して集計を行っているため、誤りのある恐れがある。

また、落車と失格に関するデータの記述が完全でないため正確にそれらを数えることができていない。具体的には、落車してかつ失格した選手は失格したことしか分からないようになっている。なぜそのような不完全な記述になっているかは理解しかねる。本当は記述は完全なのだが私が解析できてないだけかもしれない。

しかたないので、失格した選手のゴール線到達順位がない場合を落車したとみなすことにしている。これでおよその数は得ることができていると思う。

このように2002年から2008年の集計したデータは厳密な値ではなく、ましてや公式発表でも何でもないことを留意してもらいたい。ただし、大きく間違っていないことは自分では確信している。もし誤りに気付かれたらコメントで教えていただけると非常にうれしい。

時間的推移

レース数が年によって違うので時間変化を追うには絶対数よりも落車率と失格率を見るのが良い。表の落車率と失格率をプロットする。

ここ20年程で落車率はかなり変化しているのが分かる。1989年に8%あったのが1995年に約半分の4%以下になっている。その後徐々に高くなって2002年頃からほぼ横ばいだ。失格率は落車率の変化に対応を見せながら動いているようだが、この解釈はちょっとむずかしい。

このような落車率、失格率の変化は、競技規則と級班決定の制度の変更に大きく影響を受けていると思われる。