並びの表記法

前回、並び予想のネットでの公開が広がっていることを書いたが、今回はこの並びをどう表記すべきかを考える。並びの表記法ははっきりと決まった規格のようなものはなくて、各予想者が勝手にやっているようだ。それで大体問題無いのだが、私はときどき不満を感じることがある。その点を述べて私が良いと思う表記法を提案したい。

ラインの切れ目を明確に

単純には下のように並びが表記される。

17 326 859 4

数字は車番で、空白がラインの切れ目を表す。予想者によっては自力型の選手を区別できるように下のように表す。

17 326 859 4

ここでは自力型選手を赤字にしている。他にはまるで囲んだ数字にしている場合が多い。このように自力型を明示した表記でときどきラインの切れ目を示さないで下のように書いている場合がある。

173268594

自力選手がラインの先頭であることが多いので、ラインの切れ目を省略しているわけだ。しかし、この表記には問題がある。例えば次のような場合、

173268594

自力型の3と2が並んでいるが、3が単騎で26と別線なのか、326と並んで2が二段駆けを狙っているのか区別がつかない。また、捌きを狙う追い込み選手がラインの先頭であることを表現できない問題もある。

したがって、ラインの切れ目は空白をはさむなどして明示すべきだ。これは基本的なことのようだが、専門紙でこの欠点のある表記を取っているものが案外ある。他に書いてあるレース解説や各選手のコメントを見ればラインの構成は分かるようになっていることがほとんどなのだが、一目で分からないのはやはり問題ありだ。

弱い結合

17 32658 94

上で、3を先頭に長い5車のラインがある。これが結束の堅いラインであるのか、それとも目標のないライン58がとりあえず初手だけ326を追走しているだけなのか区別がつかない。後者の場合、6と5は通常より弱く結合していると言える。弱く結合しているのを「*」を使って表し、

17 326*58 94

などとすると良い。

目標のない追い込み選手が他地域のラインの後ろから組み立てることはよくある。これは1つのラインとは違うがかと言って完全に別個のラインとも言えない。それを弱い結合として表現するのが無理がないと思う。

競り

3の後位を2と5で競る場合、2次元的に

    58
17 326 94

と書いたり、並走を「()」で表して

17 3(25)(68) 94

と書いたりする。これで競りが情報として表現されているわけだが、私にはあまり美しい表現とは思えない。2次元的に書くのはテキストの表現として冗長で曖昧さが生じる恐れがあるし、括弧で並走を表すのは一目でライン構成が分かりにくい。

そこで、ラインの構成と競りの情報を分離した表記方式を提案したい。上の例は以下になる。

17 326 58 94 # 3<5

「#」以下が競りの情報で「3<5」は3の後位を5が競りにいくことを示している。また、

17 326 58 94 # 3<59

は、3の後位を5と9が競りにいって2、5、9の3車の競りを表す。また、競りの目標は省略することができて、

17 326 58 94 # <5

と書けば、5が直前のライン(=326)の先頭(=3)の後位に競りにいくことを示す。これにより、ほとんどの競りは「# <5」のような非常に短い情報を付加するだけで表すことができる。また、複数箇所の競りは、

17 32 658 94 # <3, 5<9

と「,」で続けて表す。上では3が1の後位で7と競り、9が5の後位で8と競ることを示す。

まとめ

ラインの切れ目は空白で表す
ライン構成が分かれば選手の脚質は並び情報にはいらない
弱い結合を「*」で表す
競りは付加情報で表す
ライン構成と競りの情報は分離すると分かりやすい

以上のようなフォーマットで並び情報が公開されたら非常にうれしい。私の予想にとって十分な情報で、かつ曖昧さがない。