公営競技の年度売上げの推移(1989-2009)
2009年度(4月-3月)が終わって各競技の年度売上げが発表されたので、公営競技の年度売上げの推移 - 競輪雑考に2009年のデータを追加して示す。
年度ごとの売上げ
(単位:億円) | |||||
年度 | 中央競馬 | 競艇 | 競輪 | 地方競馬 | オート |
---|---|---|---|---|---|
1989 | 25545 | 19588 | 16852 | 8490 | 3020 |
1990 | 30984 | 21394 | 18846 | 9493 | 3352 |
1991 | 34338 | 22137 | 19553 | 9862 | 3497 |
1992 | 36138 | 20826 | 18721 | 8881 | 3394 |
1993 | 37454 | 19585 | 17544 | 8059 | 3076 |
1994 | 38065 | 18384 | 16444 | 7320 | 2870 |
1995 | 37666 | 18432 | 16144 | 7141 | 2701 |
1996 | 39862 | 18038 | 15672 | 6949 | 2675 |
1997 | 40006 | 17316 | 15381 | 7070 | 2458 |
1998 | 38012 | 15961 | 14497 | 6577 | 2130 |
1999 | 36572 | 14706 | 13553 | 6230 | 2015 |
2000 | 34347 | 13347 | 12371 | 5560 | 1856 |
2001 | 32586 | 12811 | 11709 | 5221 | 1688 |
2002 | 31334 | 11990 | 10464 | 4903 | 1476 |
2003 | 30114 | 10758 | 9831 | 4447 | 1270 |
2004 | 29131 | 9837 | 9150 | 3861 | 1130 |
2005 | 28855 | 9743 | 8774 | 3690 | 1131 |
2006 | 28158 | 9703 | 8610 | 3760 | 1098 |
2007 | 27600 | 10075 | 8400 | 3804 | 1091 |
2008 | 27135 | 9772 | 7913 | 3757 | 1049 |
2009 | 25900 | 9257 | 7275 | 3634 | 972 |
2008年までは前に書いたエントリと同じである。ただし、2008年の中央競馬を4月-3月期の値に差し替えた。ソースは区政会館だよりバックナンバーにある233号(pdf)である。
2009年はweb上にある各競技の団体の発表やその報道記事を参照した。ただし、中央競馬は4月-3月期の値が分からなかったので2009年1月-12月の値を入れてある。(ソース=中央競馬、競艇、競輪、地方競馬、オート)
この表をもとに売上げをプロットする。
2009年も全競技で売上げが減少している。しかもその減少幅が増加している。これを見るため、売上げの前年度に対する増加率を算出してプロットする。
各競技とも2005年からマイナス幅が小さくなって来て売上げ減少の底打ちかと思われたが、2008、2009年とマイナス幅が増大した。原因は金融危機からの不況だろう。
地方4競技の売上げシェア
公営競技の年度売上げの推移 - 競輪雑考で、中央競馬と地方4競技で売上げの時間的変化の様子が違っているのに対し、地方4競技の間では売上げの変化が非常に良く似ていることを指摘した。これは売上げに影響を与える支配的な要因が地方4競技に共通しているためであり、それはおそらく外部の要因であると推測した。
地方4競技間で売上げの変化が似ていることをより詳しくはっきりと見るために、4競技の売上げシェアを以下にプロットする。中央競馬を除いた4競技の総売上げに対する各競技の売上げの割合の推移を見ている。
4競技ともほぼ横一線で変化があまりない。最初のグラフで示したようにこの期間、売上げそのものは非常に大きく変化しているにもかかわらず。売上げの減少は4競技共通の外部要因であり、各競技特有の原因があったわけではないことを強く示唆している。
ただし、最近の数年、競輪と競艇のシェアの差が開いて行く傾向があるように見える。競輪の売上げ減少幅が競艇よりも大きくなって来ているのである。単純に考えると競輪の方が状況が悪いとなるのだが、競輪は近年開催日数を削減することで売上げを落としても収益性を確保する方針を取っているので簡単に判断はできない。今後この傾向には注目すべきである。