予想方式の重勝式の結果分析

新賭け式、重勝式が始まって2ヶ月余りが経過し記録も溜って来たので分析してみた。まずランダム方式の重勝式(チャリロト、ビッグドリーム)だが、やはりというか、売上げが少ないのでキャリーオーバー(CO)が溜らず、回収率の点であまりおもしろくない状況だ。よってこれは今回はパスする。これに対して、COありの予想方式の重勝式(チャリロトセレクト、K-5)は高い回収率を見込める発売があった。

過去発売の期待回収率

今まで行われたチャリロトセレクト、K-5の全ての発売について回収率の期待値を算出した。「予想方式の重勝式(2)」で述べた方法で算出したが、今回は各発売の3連単の確定オッズを使って選手の勝率を推定し、それに基づいて重勝の目の的中率を求めている。「予想方式の重勝式(2)」では年間全レース平均の勝率を使っていたから、今回の方がより正確な目の的中率の推定を行っていることになる。結果は下表のようになる。

# チャリロトセレクト
回 場所 初日日付 日 投票数   直前のCO(票) |  回収率
1  平塚 2008-0416 1  48309       0.00     |  0.228
2  平塚           2  45033   36231.75     |  0.380
3  平塚           3  61846   70006.50     |  0.527
4  平塚 2008-0501 1  78008  116391.00     |  0.886
5  平塚           2  68826  174897.00     |  1.371
6  平塚           3  42941       0.00     |  0.290
7  平塚           4  77586   32205.75     |  0.511
8  平塚 2008-0605 1  45839       0.00     |  0.264
9  平塚           2  57592   34379.25     |  0.663
10 平塚           3  78027   77573.25     |  0.736
# K-5                                     
回 場所 初日日付 日 投票数   直前のCO(票) |  回収率
1  立川 2008-0425 1  14867       0.00     |  0.548
2  立川           2  16536       0.00     |  0.596
3  立川           3  20148       0.00     |  0.615
4  立川 2008-0521 1  18069       0.00     |  0.521
5  立川           2  29140   13551.75     |  1.000
6  立川           3  20587       0.00     |  0.560
7  立川 2008-0528 1  30628   15440.25     |  1.044
8  立川           2  16034       0.00     |  0.618
9  立川           3  18006       0.00     |  0.565
10 立川 2008-0606 1  23406   13504.50     |  0.952
11 立川           2  32488   31059.00     |  1.347
12 立川           3  13011       0.00     |  0.466
1  函館 2008-0529 1  14142       0.00     |  0.503
2  函館           2  10832       0.00     |  0.493
3  函館           3  22752    8124.00     |  0.842
4  函館 2008-0608 1  15039       0.00     |  0.525
5  函館           2  33273   11279.25     |  0.897
6  函館           3  63441   36234.00     |  1.157
7  函館           4  26830       0.00     |  0.572
8  函館 2008-0616 1  23574       0.00     |  0.585
9  函館           2  29284       0.00     |  0.662
10 函館           3  60439   21963.00     |  0.995

気付いたことを列挙すると、

  • 回収率が1.0を十分越えているのは、平塚第5回と立川第11回である。
  • K-5はCOが1回溜るだけでも回収率が1.0前後まで上がっているのに対し、チャリロトセレクトは複数回に渡ってCOが十分溜まるのを待つ必要がある。
  • COが無い発売は全て回収率<0.75である(これは理論的に言える)。

チャリロトセレクト、K-5は買いか?

予想方式の重勝式(2)」で述べたように、ここで示した期待値は、全ての投票者が全ての目の的中率を知っているとした理想的な状況を仮定して算出している。だから実際に平塚第5回に投票した者全てが期待回収率=1.37であったわけではない。当然ながら、それぞれの投票者の能力によって期待回収率は異なる。

理想的な投票者による期待回収率は、その賭けがどの程度客側に有利かを表す指標だと考えれば良い。COの無い通常の賭け式ではこの値は常に0.75になる。だから平塚第5回は通常よりかなり有利な賭けを行うことができたと認識して良いと思う。

溜ったOCと投票数の推移から高い回収率が期待できる発売を狙って投票することは、儲けるための非常に良い戦略であることは確かだ。ただし、競輪はスキルゲームであり個々の投票者の能力が重要であることは言うまでもない。理想的状況での期待回収率と自分の予想能力を考慮して、1.0を十分上回る回収率が期待できると判断するのなら、儲けるという目的においてこの重勝式車券を買うことは不合理ではない。

コメント

以下は画期的だと思うので改めて指摘しておきたい。

平塚第5回あるいは立川第11回は、公営競技史上最も客にとって有利な賭けであったことはほぼ間違いないだろう。そして平塚第5回が、期待回収率が1.0を上回る最初の発売となった可能性が非常に高い。